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POPライターだった私が驚いた、スタッフのPOPセンス

小売店で使えるヒント
その頃のあえて手書きの新聞

POPライターとして店舗の商品POPや大きな看板などの仕事をしていた私が実店舗の店長に感心した事がありました。

店内POPで命を吹き込む。

当時、店内を構成してる「懐かしい玩具」には、各世代が「なつかしい」と思えるものが並んでいました。もちろん、値段がわかるように必ずPOPをつけていた。このPOPには、キレイな書き方や見やすさが重要なことは当たり前。

 

しかし、この「懐かしい」という特殊なおもちゃのPOPは、値段のほかにもう一つ大きな役割を果たす事がある。「遊び方」や「昔ながらのルール」を書き込む。スタッフは、思いのほか張り切っていた、それは、自由な「商品説明」だった。

 

特に懐かしいおもちゃなどは、現代では遊び方がわからないものが多い。
ただ置いていても売れなのが当たり前のようなものもある。面白さに深みを与えるのが「ちょっとウンチク」である。ウンチクを交えてみると、引き込まれてくる類のものが多かった。

 

修学旅行生が来たときなど、引率の先生は「懐かしおもちゃ」の経験者として店内で、講義が始まってしまうことも・・・。
それほど、おもちゃを動かす過程が大切であったり、その生まれた歴史だったりが思った以上のストーリーを生み出していくのであった。

 

そんな事がヒントになれば、POPに「説明」が増えていく。店内でのエピソードを含めスタッフの感想やウンチクを競って書いていく。そんな色の濃い商品POPなので、商品購入と一緒に「このPOPももらえませんか!」というお客さんが出てきた。

 

はじめのうちは、なんとなく「差し上げていたのだが・・・」なくなったPOPをまた手書きで、書き直さないといけない。そんな繰り返し。
その様子を、分析してみると「遊び方」を示しているPOPが実に多いことがわかってきた。

 

それならばとスタッフのそのおもちゃへのコダワリや知識を「雑玩具新聞」というA5サイズにしたウンチク紙面を発刊して来店者には自由に、さらに購入者にもお渡しすることにした。

 

その頃のあえて手書きの新聞

 

そうすると、「次の号はまだ?」とか「店に当分いけないのでFAXでください」とか思っても見なかった反応があり、発行部数も多くなっていく。最後には、5号のバックナンバーがないの?というファンまで居たという。
そしてもうひとつ、POPと連動して、この「懐かし玩具の遊び方」なる説明書をつけて販売していくという方法をとることにした。

 

こんなの出てきたよ。など全国の問屋さんやメーカーさんが率先して教えてくれて、そのなかで商品にエピソードのある面白い雑貨や玩具を集めてきては店に並べていた。

商品POPと共によく売れた商品ベスト10(1997年10月~2005年8月)

1、 平和鳥(水のみ鳥)の動かし方
(POPでは「平和鳥の育て方」)

2、 ベイゴマの糸の巻き方
(男巻き・女巻きの説明)

3、 リリアンの編み方
(最初に星型に糸を掛けて・・・)

4、 メンコ(北海道では「パッチ」)
(おこし・はたきなどのルールを説明)

5、 ぽんぽん船
(蒸気がでて走る原理の説明)

6、 地球ゴマ
(まわす場所いろいろペン先とか綱渡りを簡単図解)

7、 カリレオ温度計
(温度の見方。とても混乱する温度計?)

8、タコ糸でまわす独楽
(ベイブレイドのようにスターターがつかないものをとっくりと説明)

9、チェーンリング
(これはお客さんに教えていだいた、首に巻いたり、鞄に付けたり、携帯の飾りにしたり)

10.あやとり紐
(数人で遊べる基本的な取り方うぃ説明)

 

決して、キレイとはいえない手書きPOPを商品以上にお客様には愛していただいたように思う。そしてそれが、当店の人気の秘密だったように思う。

 

 

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